広告コピーってこう書くんだ!読本

谷山雅計

2007年9月30日

宣伝会議

1,980円(税込)

ビジネス・経済・就職

いいアイデアやコピーは発想法を知るよりも、自分のアタマを普段から発想体質にしておく必要があります。“発想体質”になるための31のトレーニング法。

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Mr.D

消費者目線のライティングを語る本

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3.5 2019年02月18日

著者は博報堂で勤務するコピーライターで、TSUBAKIの「日本の女性は美しい」などのコピーを生み出した人物である。 私はこの本から、日常で他人に物事を伝えるための効果的な文章を書く技術が学べるのではないかと思い、kindle unlimitedで読めるのもあったので今回手にとってみました。 結論から言えば、この本は著者がコピーライティングに対して思う見解や矜持を著者なりの要点ごとにまとめた本です。 つまり、技術面でのライティングに関する考察や、コピー広告の体系的な知識は少ないです。したがってコピーライティングを実務的に掘り下げて勉強したい場合はこの本を読む意義は薄いと感じます。 その一方で、コピー広告を書くに当たっての心構えや、初心者が陥りがちな間違いについてはしっかり紙幅を取り的確に記されているので、はじめの一冊としては効果的でしょう。 著者は、コピーとは作り手の自己満足で終わるべきではない、と言います。 コピーを受け手にどう伝えるか、伝わった結果受け手へどういった行動を促すのか。そしてそのコピー自体が人々の間を流通する広告として機能するかといったことまでを含めてデザインすることが重要だと主張しています。それにはコピーを書く対象を様々な角度から観察すること。その為にも始めはとにかく数を書き上げること、綺麗さは二の次だと言います。 私は特に前半の受け手への伝わり方という点に興味を惹かれました。 例えば「そうだ、京都 行こう」というコピーがあります。この本でも取り上げられていますが、この本を読んでから改めてこのコピーについて考えると、たしかにとてもシンプルなのに”何となく京都へ遊びに行く”というフットワークの軽さを受け手が本当に実現してしまうような空気感を持つ不思議なコピーです。また、京都へ行こうと誰か人を誘う際にも軽口として相手にさらっと言えてしまう、そんな人から人へ普及する柔軟さも備わっている優れたコピーだと今更ながら思い至りました。 他にも最近の広告で私が感覚的に良いなと感じていたのがゼクシイの「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私はあなたと結婚したいのです」というコピーがあります。そもそも昨今多様なライフスタイルが主張される時代になったことで結婚の必然性は低下しており、また不景気などの要因も合わさって結婚に価値を見いだせない若者が増えたことで結婚率は低下しています。 ゼクシイのコピーは、そんな現代を生きる若者の感覚を逆手に取った素晴らしいものだと思います。 結婚を意識している層は、このコピーを受けて自身が言語化できていなかった結婚という選択肢を選び取ることの必然性を見いだし、それによって結婚に対する不安や迷いと向き合えるようになるのではないでしょうか。それは受け手側の行動へ繋がり、それによって広告主にも利益をもたらしているということであり、優れたキャッチコピーなのだと改めて考えられたのはこの本のお陰です。 他にもこの本では、逆にダメなコピーを解説してくれます。 それは嘘をついているコピーと、感覚的には良いが実際に受け手の行動へは繋がらないコピーです。この二つに関して説明はここでは割愛しますが、ライティングを始めようという方へ、方針と同時に進むべきではない道も具体的に示されているのがこの本の良いところです。 また著者の主張する作り手のこだわりではなく受け手重視の考えは、ビジネスにおけるインサイト営業やマーケティングに通じる普遍性を感じます。その点でこの本はライティングに携わらない人間に対しても示唆に富んだ一冊だと言えます。 ただ、この本は全体的に著者の日常で感じるライティングへの疑問や、ライターを目指す学生達のコピーに対してのプロとしての意見などの寄せ集めとなっているので内容はどうしても薄いものとなっています。また技術的にも理論というよりは主観かなり的に語られているので、ライティングのプロセスとしての再現性は薄いと思われます。その点だけが勿体なかったです。

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