ダイビング上達クリニック　新装版

スキューバダイビングに関する情報は、雑誌から得るものが多く、本書のように体系化されたものは稀です。そうは言っても本書のネタ本は「月刊ダイビングワールド」で連載された「ダイビング道場」の記事で、その中からビギナー向けの知識・スキルを選び抜いてまとめたものです。内容は、エントリー・エキジット・潜降などの基本スキル、ナビゲーション、ボートダイビング、トラブルへの対処、器材の メンテナンス方法など、一般的にダイビングに必要なスキル、知識について 解説しています。 その意味ではダイビングスキルの上達のための本なのですが、実はそれ以上に著書の思いが込められています。その思いとは、自立したダイバーであって欲しいというものです。 ダイバーとしての自立とは、一体何を意味しているのでしょうか。それは一言で言えばセルフレスキューに尽きるのではないでしょうか。その意味では、本書に取り上げられたエマージェンシーへの対処法は大変参考になります。こんな事は身近にベテランダイバーが居なければ、身につくことではありません。経験に基づくヒヤリハットほど役に立つものはありません。自らの判断に従って自らの命を守る、この自己責任こそが海という大自然の中でダイビングを楽しむ基本中の基本であることを先認識しました。