アインが見た、碧い空。

あなたの知らないベトナム技能実習生の物語

近藤 秀将

2022年11月5日

学而図書

1,980円(税込)

人文・思想・社会

■定価 1,980円(本体1,800円+税) ■小説×解説で、技能実習制度の本質がわかる。 ──夢やぶれた技能実習生が、未来を取り戻す物語。 ベトナム中部、フエ。現地の大学を卒業したアインは、金銭の魅力と日本への憧れから、技能実習生として日本で働く道を選んだ。いわれるままに学歴を詐称し、大卒者であることを隠して日本で働くアインは、単純労働の繰り返しの果てに、ひとつの事実に気づく。彼女の将来の可能性は、もうどうしようもないほどに行き詰まってしまっていた。 米国国務省によって、制度を悪用した強制労働の存在を指摘されるなど、さまざまな視点から問題が提起されている日本の技能実習制度。本書では、行き詰まる実習生たちの挫折と再起を描く「小説」と、ベトナムで教鞭をとる著者自身の手による「解説」という両面から、技能実習制度の本質が描かれる。 一時の金銭と引き替えに、技能実習生たちは何を失うのか。そして、日本という国の将来に、技能実習制度はどのような影響を及ぼしていくのか。ベトナムで元・実習生の再教育に携わってきた著者の紡ぐ物語と解説が、日本の「いま」を明らかにする。 ■映画『縁の下のイミグレ』原案作品 実写映画『縁の下のイミグレ』(なるせゆうせい監督作品、2023年公開)原案作品。映像を通して、本書が提起する技能実習制度の問題をより深く理解できる。 ■目次   はじめに   主な登場人物 第1部 碧い空の上。trên bầu trờixanh.   解説1 アインの決断──ベトナム技能実習生   解説2 技能実習制度──「現実」の歪み   解説3 「問い」から見えるもの   解説4 呪縛 第2部 碧い空の中。trên đường đến bầu trờixanh.   解説5 行政書士と在留資格制度   解説6 「ベトナム人犯罪」   解説7 評価されるキャリア   解説8 技能実習制度の歪み、その正体。あるいは、文化資本のギャンブル的変容。 第3部 碧い空の下。dưới bầu trờixanh.   解説9 在留資格制度における〈実務経験〉と〈上陸拒否期間〉    解説10 評価されるキャリアと日本の実像   解説Ⅺ 日本の「簿外債務」=負の社会関係資本 エピローグ アインが見た、碧い空。   あとがき

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